1973年、覚えていることがある。ロストボールは知らなかったけど、ベースボールは知ってて、広島東洋カープは弱かった。この年の夏は暑かった。大人の世界は閉塞してた年ですわ。僕はこの夏コカコーラをのせたトラックの運転手と会話をした。何を話したのか覚えてないけど、ふたことみこと話をしたんです。運転手がこども相手にたわいもない話をしたんだと思う。
で、陽炎でゆれる道路をトラックが走り抜け、犬がいた。大きな犬が僕を見てたんです。炎天下、僕は、僕の前には長い時間があるんだ、と感じがこみあげてきた。1973年のピンボールはうーんと後で出版され、73年の事を払ってくれましたね。ありがとうという本です。