幼い頃、トレースは楽しみだった。
薄いすけた紙を
マンガにあてて
トレースする。
自分の画力が
いっきにあがる感じがした。
読書はトレースに似ている。
目で考え方をトレースする。
三連休に読もうと取り寄せた
ロストジェネレーション
が手付かずのままにある。
僕は遅読なので、未読のままの本がたまっている。
もう10年前、
アン・タイラーのブリージング・レッスンを
憑かれように読んだ記憶がある。
ハートウオームな作風。
アメリカのベストセラー作家の代表作である。
当時、僕がかかえた問題と作品のテーマが同じだったので
憑かれてしまった。
なにせ、サウナの休憩室で引きこもって読了しました。
とても大切な作品を
トレースしたにもかかわらず
作品から学んだことは
お節介の功罪と鼻歌について
だ。
お節介の悲哀だ。
それ以上はうまく説明できない。
すごく面白い作品なのでおすすめします。
文春文庫で読めます。